2006年10月7日

レモンの日

今日(正確に言うと、もう昨日)は
高村光太郎の妻・智恵子の命日

その日を詠ったのがこの詩。。。





「レモン哀歌」智恵子抄より



そんなにもあなたはレモンを待つてゐた

かなしく白いあかるい死の床で

私の手からとつた一つのレモンを

あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ

トパアズいろの香気が立つ

その数滴の天のものなるレモンの汁は

ぱつとあなたの意識を正常にした

あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ

わたしの手を握るあなたの力の健康さよ

あなたの咽喉に嵐はあるが

かういふ命の瀬戸ぎはに

智恵子はもとの智恵子となり

生涯の愛を一瞬にかたむけた

それからひと時

昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして

あなたの機関ははそれなり止まつた

写真の前に挿した桜の花かげに

すずしく光つレモンを今日も置かう


。。。邦画の監督さん。
今映画にするなら智恵子抄ですよ絶対。
このシーンを誰よりも美しく、はかなく、
言葉少なく雄弁に描ける人じゃなきゃ絶対ダメですけど。

投稿者 Papan : 01:06 | 日常 | - | -

2006年9月25日

奥州平泉 中尊寺

随分更新を怠っちゃいました。。


お彼岸にお墓参りに行った。
前から聞いていたけど、直近になってやっぱり驚く。


ウチのお墓のある下町のお寺の住職が、
なんとあの奥州平泉の中尊寺、そう金色堂があり、
奥州藤原氏の菩提寺であり、数々の歴史にも名を残した
あの中尊寺の貫主になる!!

やあ、大変だ。
だって歴代の貫主はそれなりの著名人、
金色堂以外にも東の国を代表する文化遺産に、
伝統ある能、多くの僧侶を守ってゆくのだから。

話している間にも緊張感が感じられた。
いかに宗派の要職は経てきたといえども、
下町の、家族で営んでいるお寺の住職から
多くの国宝を抱えるお寺の貫主になるんだから。

ちなみに天台宗では、数ある著名な寺の中で、
長野の善光寺と中尊寺が、こういう大抜擢があるお寺だそうだ。

ご住職、かわいいお孫さんや
まだ遊んでた頃の面影が残る若住職を残して
ご心配でしょうが頑張って下さい。

そして。。。遊びに行きますからね(^o^)
いろいろ見せて下さい!

投稿者 Papan : 23:49 | 日常 | - | -

2006年8月3日

埼玉のプール事故、レバノンの悲鳴

また悲惨な事故で尊い子供の命が失われた。

ずさんな責任感の欠如は市役所から
業者、アルバイトまで全員にあったはずだ。
吸水口だけでなく、怖いと思うようなずさんさは
子供の笑い声が溢れる各所に見られる。

徹底的なコスト意識は、シンドラーのエレベータ然りで、
松下やキャノンの偽装請負まで、至る所に入り込み、
そして子供を育む社会を蝕み、少子化を加速させる。

日本を狙っている国があれば、
黙っていても20年も待てば簡単に手に入るだろう。

目を、遠くMID-EASTの惨劇に移して、
かつて自分たちの親が受けた悲劇を血で精算する
歴史の愚かさにふさぎ込みながら、
夏の夜の脅迫状のような新聞を四つ折りにして、
インターネットに向い、
僕は考えることから逃げ出した。

投稿者 Papan : 01:04 | ニュース | - | -

2006年7月3日

パパのばかっ!

どこで覚えてきたか、上の子が「バカ」を連発。
パパ、ママ、みんな「ばか」にされてしまった(苦笑)。

言葉の正確な意味も分からず、
覚えたての“便利な言葉”を連発する我が子に
負けじと怒りながら、成長の階段を上がってきたなあ、と
感心している僕はどんなもんだろう?

久々に育児っぽい、モノローグ。

投稿者 Papan : 00:45 | 子育て | - | -

2006年6月29日

君は、僕より僕に近い

ささくれ立つ気持ちに、細かい水滴がつく。。。

投稿者 Papan : 23:46 | 子育て | - | -

2006年6月27日

例えば、呟きは真実に近いのに

漕げば漕ぐほど岸から遠ざかる時があるように、
もがけばもがくほど水面が体をとらえる時があるように、
笑えば笑うほど孤独になり、
自分を語れば語るほど誤解を招くこともある。

あぁ、僕? 僕は池で泳いでいるから大丈夫。
ただ、蝉の声を待っている。

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詞の代わり 先日の呟きより

投稿者 Papan : 00:03 | - | - | -

2006年6月18日

Born to Run

昨日のNHK・BS1のBruce Springsteenの
ロンドン、ハマースミス・オデオンでのライブ、よかった。

刹那的な情景が残っていたのが「Born to Run」までだと思っているけど、
(表面的には「River」までだが、どこか社会性臭さが匂ってくる)
説教臭くない青年Bruceは、このときのE Street Bandのサウンドを支配していた
クラレンス・クレモンズのサックスと、
ロイ・ビタンのピアノだけでも十分楽しめるRock and Roll Musicに、
吟遊詩人として、ヴォーカリストとして、
過不足ない絶妙なブレンドでジャイブしている。
バンドをやるってことがこんなに楽しいことなんだって、
会場にいた誰もが思っちゃうんじゃないかな。

できればUSのツアーが見たかったけど、
蒸し暑い夜に、ビール片手に見たら人生が何とかなるさ、って思える奇跡、
そんな気がした。

投稿者 Papan : 19:53 | 音楽 | - | -

2006年6月9日

理性は感情の言い訳でしかない

感情という暴れ馬を押さえつけながら想うことがある。

理性は感情の言い訳でしかない。

とくとくとしゃべり続ける訳知り顔の社会的存在を
引きずりおろして化けの皮をはぎ取れば、
そこには理性という言い訳をしゃべり続けていた
感情の鼓動が聞こえるはずだ。

感情は理性という化粧の仕方に長け、
時として自分の本当の顔を忘れる。
自分の素顔を人に晒すことを拒む。

南風が君をそわそわさせるように、
空を哲学的に見せている梅雨の雲は
陰鬱の理由を理性的に見せようとしている。

投稿者 Papan : 01:30 | 音楽 | - | -

2006年6月6日

見上げる坂道を、影は深く降りてくる

坂の下に立つと時々立ちすくむ。

あの日はメロンを抱え、坂を上った。
帰りは空虚な無力さに押し出されるように坂を下った。

同じ坂に偶然通りかかって、
18年ぶりに通りかかって、
鈍色の太陽に励まされた。

坂の上の病院は今はもうないし、
坂の上から企業城下町を形作っていた会社もない。
坂を賑わしていた関連企業はこぞって後を追い、
坂の上には見慣れない高層マンションが
時代を逆回しにしたような違和感でそびえ立っていた。

あのとき絶望にもあきらめきれなかった僕は、
ちょっとしたことであきらめの言葉を漏らすようになったけど、
あなたの足元にも及ばない僕は「成長すること」を
まだあきらめきれない。

投稿者 Papan : 00:40 | 日常 | - | -

2006年6月4日

サンセット・ヒル

今の家は、残念ながら夕方になると外より一足早く暗くなる。

でも僕は、こどもたちが夕陽が沈むのを感じながら、
一日を終えてゆく家に住みたい。

本来は家の設計では西日を嫌う。
でも僕は、夕陽の差し込む部屋で多くのものを感じてきた。

だから、朝が来たことを感じ、日が暮れるのを感じられる
そんな“贅沢”な家に住みたい。こどもたちを住まわせたい。

怠けてちゃいけない。
その先へ。
約束の地へ。
心臓をわしづかみにして、心腫らして。
日の沈む丘へ。

投稿者 Papan : 19:13 | 子育て | - | -

2006年5月29日

素敵なプレゼントもらってる?

世の中のお父さん、素敵な誕生日プレゼントもらってる?

僕の今年の誕生日プレゼントは、
アンパンマンのケーキに、「ボウケンジャー」の主題歌CD、
チョコが2パック。

結婚当時カミさんが作ってくれていた
洋酒の匂いが心地よい洒落たケーキは
下の子が自分の誕生日に大喜びだったアンパンマンの顔を形取ったケーキの
イチゴのムースバージョンに、
何十万もする楽器や機械は上の子のお気に入り?の
「ボウケンジャー」のCDに変わったが、
とても素敵なプレゼントだった。

だって、自分の誕生日が盛り上がったら、
何より楽しいから。

ケーキに満足したこどもたちに、
「ボウケンジャー」の歌詞が違うと文句を言われながら、
いくつになっても誕生日を祝って欲しい、
そう願っている。

もう祝うような歳じゃないって?
僕はまだまだ進化したいよ。

投稿者 Papan : 00:24 | 子育て | - | -

2006年5月24日

Thunder Road

雷鳴の中、今日は早めに家に帰ると。。。
ソファに固まったうちのこどもたち。

下の子は目に涙をいっぱい浮かべ、「こわかったのぉ」。
上の子は眠さと相まっていつもの強がりもなし。

下の子は特に雷さまがこわい。
本当に小さい頃からこわがっている。
(おヘソ取られるぞっ、て僕がいじめたからか。。。ひどい親!)

今日も「こわがってご飯を食べないとおヘソ取られちゃう」と
言われたらしく、全部残さずご飯を食べたらしい。
(あまり、いいやり方ではないが)

涙をたっぷり溜めて唇をかむ様子が、
とても誰かに似ていて、思わず見比べてしまった。

投稿者 Papan : 23:11 | 子育て | - | -

2006年5月23日

祈り、祈り、だから遠足

こどもが熱をだした。
明日は初めての遠足なのに。

こどもの調子が悪いのに、
日曜無理やり遊びに連れ出して
夕方遅くまで遊ばせてしまった。

小さい体のがんばりを気づかずに、
がんばれっ!と無神経にも言い続けて。

いつになく甘えん坊の頑張り屋さんは、
ずっとがんばってて、我慢しきれずに熱をだした。

泣きたくなるような無垢な寝顔。
どうか寝ているうちに治してあげて!
できることなら代わってあげたい。

楽しみにしていた遠足。
その話を楽しみにしていた僕ら。
たとえ神を信じなくても、君のためなら僕は祈ろう。

投稿者 Papan : 00:40 | 子育て | - | -

2006年5月21日

ワニバレエ

教育放送は実験的なコンテンツが多いから、
ときとしてカルト的なブームを作る。

ただ、やりすぎて大人は盛り上がるけど、
子供は実はそれほどでもないというものも
往々にして多い。

そんな中、地味だけど小さい子供のツボを押さえているのが
「ワニバレエ」。

「あいのて」という番組で、ダンサー(白井剛)が
「としとったおばあさん、としとったおじいさん。。」と抑えた動きの後に、
「でも。。ワニバレエ、ワニバレエ、。。」と
手をワニの口を見立ててメチェクチャに踊るだけ、ただそれだけ。

たぶん、この体操?を教える親はいないだろうけど、
(教える振りじゃない!自然に誰でも踊れる!)
親も目を凝らして覚えて教えなきゃならない
「おかあさんといっしょ」の
中西圭三の歌に合わせた凝りすぎた体操なんかより、
ずっとHAPPYのような気がする。

今週もどこかで、ワニバレエを楽しむ子供の笑顔が見られたはず。
もちろん、うちの子も。

投稿者 Papan : 21:54 | 子育て | - | -

2006年5月9日

馬とナマケモノ、加えてコビトカバ

連休も終盤となった土曜日、僕らは上野へ向かった。

目的は、パンダでも象でもなく、
ナマケモノと馬だった。

10年以上ぶりにも関わらず、たぶん違うヤツだろうけど、
パンダは相変わらず背を向けて寝ていた。

それでも“場”を汲むタイプの上の子は、
おみやげにパンダのマスコットを選んだ。

明らかに、ここの名物はパンダだということを悟っていたと思う。

でもやっぱり笑顔はナマケモノのオリの前で
達成感とともに溢れ出ていたし、
下の子も小さな馬の前でこの日一番の元気を出していた。

そこがどんな意図を持っているかなんて関係ない。
こどもたちが決めるものだから。

いや、こどもだけじゃなく、みんな。

受け手は氾濫する情報に画一化されやすいし、
ビジネスなどでは送り手が陥りやすい。

この日は大人にとっても、上野の主役は
なんたってコビトカバだったんだ。

投稿者 Papan : 00:28 | 子育て | - | -

2006年5月2日

ある晴れた日曜日、僕らは笑った

日曜日の春の、大きな公園は
転がるボールを追いかけるだけでも、
若葉がくすくす笑い出すようだった。

どろんこ少年のザリガニだらけの小さな水槽、
初めて見つめる目もザリガニとおんなじくらいニョキッとしてた。

レンゲのお花畑は少女を一人増やし、
人気の古民家の回らぬ独楽が昭和の少年をムキにさせてた。

次の日、レンゲの花飾りに失敗した少女が
母親に戻り寝込んだ以外は、
ラハイナの夕陽にも勝る一日の暮れ方だった。

投稿者 Papan : 00:27 | 子育て | - | -

2006年4月26日

the Star Spangled Banner

the Star Spangled Banner=「星条旗」、すなわちアメリカ国歌。
ちなみに「星条旗よ永遠なれ=Stars and Stripes Forever」は行進曲。

このシーズン、アメリカ・プロバスケット、
NBAがプレイオフヒーズンになると、やたらと口ずさむ。

でも歌詞を知らなかったので、覚えようと。
ご多分に漏れず内容は戦争に関するもの。独立戦争の戦場を歌っている。

メジャーキーで音域の広い、起伏に富んだメロディーは、
テンポを落とすことによってフェイクの入れやすい、
フェイクし甲斐のある、ポピュラーミュージックになる。

ソウルやカントリーととても親密な関係にある。
上下にすり足で動いてゆく「君が代」とは対照的だ。
(キーのことは抜かしても、君が代にダイナミックなフェイクを入れたら、
そちらが目立って何の歌だか分からなくなる。。。)

USAチームのスポーツの試合とはいかないまでも、
覚えて、カラオケの場で、アカペラで歌ってみようかな。
アドリブのフェイク入れまくりで。

ただ、ブッシュが引退してからにしたいな。

投稿者 Papan : 00:40 | 音楽 | - | -

2006年4月12日

強さと、弱さと、時として勇気

仕事はなかなか上手くいかない。

誠実さをだせば、時に耳にうるさく、
群れれば船が軋んでいく。

様々な可能性を計算して、しかめ面で街を横切り玄関を開けた僕に、
心配されてた方の小さな笑顔が、心配などどこ吹く風で
休むことない笑いで励ましてくれる。

軽く「幼稚園で新しい友達と遊んだよ!」と笑う新米園児に、
後ろから「(わたしは)動物園に行った!」とうそぶく未就園児。
ほんとは置いてけぼりに寂しくて、道ばたに倒れていたくせに。
(イジけるとほんとに、バタっと漫画のように倒れるんだ!)

「もう行きたくない!」「寂しくてつまらない」と言ったらどうしよう、
そう心配していた僕を励ましている小さなふたり。
どちらが弱くて、どちらが強いのか分からない。

ただ、時として勇気はお互いを行き来する。

「好き」とは、そういうこと。

投稿者 Papan : 22:37 | 子育て | - | -

2006年4月11日

キミの口から聞きたいこと

明日、聞きたい報告がある。

笑顔だといいな。たくさんあるといいな。

そっぽを向かれたらどうしよう。
嫌いになっちゃったらどうしよう。

あさっても楽しみだといいな。
君が眠る前に明日は帰ろう。

僕もちょっぴり緊張する、初めての君の幼稚園。

投稿者 Papan : 00:37 | - | - | -

2006年4月2日

世界で一番小さな世界

僕はうまくやれないから。

正義なんて貫けないから。
正しいことなんて分からないし、優しくなんてできない。
いい人にも、格好よくも、強くもなれない。

だから、せめて、君と僕という小さな世界で、
一番ちっぽけなこの世界で、それを守ろう。

ずっと、そう思ってきた。
君は、君たちになったけど、変わらない。

投稿者 Papan : 22:23 | 子育て | - | -

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